人手不足を乗り越え、未来を拓く仕組みづくり

昨今、全国的な人手不足は深刻さを増し、多くの企業がその対応に苦慮しています。私たちクラスコも例外ではありません。10年前、私は創業50年を迎えた会社を引き継ぎましたが、その直後、わずか3年という短期間で8割もの社員が会社を去るという、まさに危機的な状況に直面しました。しかし、この苦い経験を糧に、私たちは徹底的な変革に挑み、人手不足という大きな壁を乗り越え、持続的な成長へと舵を切ることができました。

人手不足を単なる問題として捉えるのではなく、組織を根底から見直し、未来を創造するための絶好の機会と捉える。そのために私たちが重視してきたのは、以下の3つの柱です。

1. 未来を担う「人材育成」への投資: 企業の持続的な成長のエンジンとなるのは、やはり「人」です。未来を見据え、変化に対応できる人材を育成することは、何よりも重要な投資であると考えます。
2. 従業員のエンゲージメントを高める「強化給与」: 従業員が安心して仕事に打ち込み、長期的に活躍できる環境を整備するためには、給与体系の見直しは避けて通れません。適正な評価と、それに見合った報酬を提供することは、組織への信頼感を醸成し、定着率向上に繋がります。
3. 組織を牽引する「共感を呼ぶビジョン」の確立: 目先の利益だけでなく、社会的な意義のあるビジョンを掲げ、従業員の共感を呼び起こすことは、組織の一体感を高め、困難な状況を乗り越える原動力となります。

特に、人材育成においては、単に知識やスキルを詰め込むのではなく、変化の激しい時代に対応できる「考え方」や「価値観」を共有し、従業員一人ひとりが主体的に成長できるような環境づくりに注力してきました。

未来を拓くための具体的な取り組み

人手不足という課題に対し、私たちが具体的に取り組んできたことは多岐にわたりますが、その中でも特に効果的だったのが、以下の3つの取り組みです。

① 人材マネジメントシステム「カツヤクン」の開発と導入

私たちは、従業員の能力を最大限に引き出し、その成長をサポートするための独自の人材マネジメントシステム「カツヤクン」を開発し、導入しました。このシステムは、従業員のスキルや目標を一元的に管理し、定期的なフィードバックや評価を通じて、個々の成長を可視化することを可能にします。従業員は自身の成長を実感することで、モチベーションを高め、主体的にキャリアを形成していくことができます。

また、テクノロジーを活用した業務効率化も積極的に進めています。例えば、研修プログラムをeラーニング化したり、業務マニュアルをデジタル化することで、従業員は時間や場所にとらわれずに必要な知識や情報を習得できるようになりました。これにより、教育コストの削減と、従業員の学習効率の向上を両立させています。

② 不動産テック「TATSUJIN」を活用した業務効率化

不動産業界においても、テクノロジーの活用は避けて通れません（私たちのサービスブランドである「不動産テックのTATSUJIN」）。私たちは、RPA（ロボティック・プロセス・オートメーション）やAI（人工知能）といった最新テクノロジーを積極的に導入し、これまで人が手作業で行っていた業務の自動化や効率化を図っています。

例えば、物件の魅力を最大限に引き出す写真撮影にAIを活用することで、高品質な物件写真を効率的に作成できるようになりました。また、バーチャルツアーを導入することで、顧客は自宅にいながらにして、まるで実際に物件を訪れているかのような体験をすることが可能になりました。これらのテクノロジー導入は、従業員の業務負担を軽減するだけでなく、顧客体験の向上にも大きく貢献しています。

③ 空き家再生と地域活性化への貢献

私たちは、社会的な課題である空き家問題の解決にも積極的に取り組んでいます。築年数の古い物件を買い取り、現代のニーズに合わせたリノベーションを施すことで、新たな価値を創造し、地域活性化に貢献したいと考えています。

実際に、築35年の空き家を買い取り、徹底的にリノベーションすることで、以前の家賃よりも31%アップさせ、短期間で満室にすることができました。これは、単に物件の価値を高めるだけでなく、地域の魅力向上にも繋がる取り組みであり、従業員の仕事に対する誇りやモチベーション向上にも貢献しています。

まとめ：未来を拓くために

人手不足は、私たちにとって依然として大きな課題ではありますが、同時に、組織を革新し、未来を創造するための絶好の機会でもあります。未来を担う人材の育成と、テクノロジーの積極的な活用。この二つの колесо を軸に、私たちは人手不足という時代の荒波を乗りこえ、持続的な成長を目指していきます。

未来を拓くために、私たちは常に新しいことに挑戦し、変化を恐れずに前進し続けます。過去の成功体験に固執することなく、常に新しい視点を取り入れ、柔軟に変化に対応していくことこそが、未来を切り拓く鍵となると信じています。