マネージャーに送る言葉07
リクルートの創業者 江副浩正氏が晩年に遺したマネジメント論。
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第7章
マネジメントに携わる人は、2つ以上のことを同時に進められる人でなければならない。
ひとつの仕事に熱中している時は、他の仕事に手がつかない、といったタイプの人はスペシャリスト向きで、マネージャーには向かない。
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少々ニュアンスが違うかもしれませんが、こういったケースが有ります。
マネージャーが自分の「手持ちの仕事」に終われて、マネジメントが出来ず、部署の仕事が回らなくなる。
マネージャーに聞くと、仕事が忙しくて、周りを見ることまで手が回らない…と
いや、待ってください。
マネージャーがやるべき仕事は「マネジメント」です。
次から次へと湧いてくる仕事、マルチタスクを、効率良くどんどんさばいていき、そこに起こった問題を、適切に判断し、指示していくことが必要です。
自分の仕事を、ではなく任された部門全体の仕事を…です。
これが出来ないと、仕事がどんどんたまり、部下が仕事に埋もれて潰れていってしまいます。
こういったマネージャーが上に立っていると、部下はたまったもんじゃありません。
マネージャーは、サッカーでいうと、ゲームメイクをする選手と同じで、自分でドリブルをしながら他の選手のポジション、敵の位置を確認しながら、
パスをだしたり、シュートをしたりと、ゲーム全体の掌握していきます。
それと同じで、「マネージャー」は、目の前の仕事に集中するだけではなく、仕事全体、部署全体、部署のスタッフの今の状態を「俯瞰して見る視点」
と「全体を意識してみる」ことが必要になります。
「○○さんは、いまこの仕事を進めている、進捗状況は順調」
「△△さんは、仕事が詰まっていてなにか問題を抱えてそう」
「□□さんは、余裕がありそうだから、△△さんのフォローを任せよう」
「この仕事は、少し難しいが、○○さんに一度任せてみよう」
「☆☆さんがピンチだから、これは自分が変わって対応しよう」
など
マネージャーは、自分の手持ちの仕事を進めながら、任された部署、部下の仕事の進捗を全体的に把握し、適切に指示、アドバイスし、時には叱咤し
介入して、仕事に対しても部下に対しても、真摯に向き合って行動しなけばなりません。
部下は上司を選べませんから。