肝心なのはキミだよ。
(松下幸之助語録)
あるとき、あまり仕事のうまくいっていかなかった幹部が、「もう少し優秀な部下がいたらと思います」と愚痴をもらした。
それを耳にした松下幸之助は、とたんに姿勢を正して、「きみ、その考え方は間違っている」と言った。
「きみは大学も出てしっかりした男や。仕事も熱心やってくれるし、一つ言えば十も悟る。非常に私はあてにしている。
しかし、きみみたいな人間ばかりやったら、私はゆっくりと寝れんわ」
どういう事かといぶかる幹部に、松下幸之助は経営の心がけを説き聞かせた。
「きみは優秀だよ。優秀やから、私が寝ている間にきみは勝手に会社を違うところに持ってゆくかも知れん。目を覚まして
会社がどこか違うところへ行っていたら大変やないか。そう考えたら夜も心配で眠られへんで。 きみはいま、優秀な人間
が居たらと言ったけども、事業は優秀な人間ばかりでできるものやないんや。優秀な人間を集めたからと言って、優秀な
会社になるは限らん。 誰しもが少しでもいい仕事をして、会社に喜んでもらい、自分も喜びたい、世間の役にも立ちたい
と思って会社に来ているはずや。大事なのは、その人達が示される方針をきちんと守ってやってくれるかどうかであって、
優秀かどうかではない。 肝心なのは、その人達に対して、はっきりと方針と会社の目標を示して、やり方を明示すること
なんや。肝心なのはきみだよ」
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マネージャーや、リーダーが、仕事を遂行していく上で大切な事。
「何故こうしなければいけないのか…」
一つ一つの行動、指示について、明確な方針や目的を指し記し、動機づけをすることが必要です。
まず、自分が会社の方針を理解して、“部下が分かりやすい言葉”(現場の言語)で伝える。
人間、意味の分からない事はやりたくないモノです。 「やりたくない事」では、質のいい仕事はできませんからね。