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小村典弘のブログ

不動産DXの本質は「あり方」にあり。市場を変えるDO IDEAと経営戦略の極意

不動産DXの本質は「あり方」にあり。市場を変えるDO IDEAと経営戦略の極意

 

1. 不動産業界の現在地:なぜ今「変革」が必要なのか

クラスコの小村典弘です。今、私たちの立っている不動産業界は、かつてない大きな転換点にあります。

人口減少、空き家の増加、そしてテクノロジーの急速な進化。これまでの「ただ物件を右から左へ流すだけ」のビジネスモデルは、もはや限界を迎えています。多くの経営者が「何かを変えなければならない」と焦りを感じているはずです。しかし、その「何か」の正体を見極められているでしょうか?

私が常に提唱しているのは、「不動産ビジネスを再定義すること」です。
私たちは単なる箱(建物)を貸し借りしているのではない。お客様の「人生のステージ」を支え、地域の「価値」を最大化するプロフェッショナルであるべきです。今の市場で勝ち残るのは、最新のツールを導入した会社ではなく、「誰のために、何のために存在するのか」という本質的な問いに答えを出した会社なのです。

2. テクノロジーは手段。「あり方」を問う経営へのシフト

DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が独り歩きしていますが、私はあえて言いたい。「やり方(手法)」の前に「あり方(理念)」を整えよ、と。

どれほど優れた不動産テックを導入しても、それを使う人間のマインドセットが旧態依然としたままでは、宝の持ち腐れです。私がクラスコの経営を通じて痛感したのは、「経営者のビジョンがいかに細部にまで浸透しているか」が、テクノロジー活用の成否を分けるということです。

例えば、私たちのグループでも、ホールディングス化や新店舗展開、M &Aといった「動」のフェーズを経て、徹底的に「あり方」を議論してきました。

「無計画は、失敗を計画しているのと一緒である」

この言葉通り、テクノロジー導入を成功させるには、まず「どんな未来を作りたいのか」という入念なストレッチ(準備)が必要です。ガイド(ビジョン)なき登山は遭難を招くだけです。DXとは、単なる効率化ではなく、お客様に提供する体験価値を劇的に変えるための思想なのです。

3. DO IDEAの実践:差別化を生む価値創造のサイクル

私が大切にしているコンセプトに「DO IDEA(実行されるアイデア)」があります。
世の中には素晴らしいアイデアが溢れていますが、それが実行され、価値として着地しなければ意味がありません。

不動産経営において、このDO IDEAをどう具体化するか。その鍵は「データの可視化」と「デザイン」にあります。

  • デザインによる資産価値の向上: ただのリフォームではなく、ターゲットのライフスタイルを徹底的に分析したリノベーション。
  • データに基づく経営判断: 勘と経験に頼らず、AIやデータを活用して空室リスクや修繕計画を先回りして提案する。

これらを一貫して行うことで、競合他社が追随できない「独自のポジション」を築くことができます。「とりあえず、クラスコに相談すればいい」。そう地域のお客様に思っていただける状態こそが、ブランド価値のゴールです。

4. 人が育つ仕組み:企業内大学×タレントマネジメントで「成長」を回す

不動産業は、結局のところ「人の仕事」です。
そして私は、経営の最重要テーマをこう定義しています。「社員の成長が、企業の成長である」
さらに言えば、社員の成長こそが、お客様の満足を生む源泉です。知識が深まり、視座が上がり、提案の質が上がる。対応が早くなり、言葉が丁寧になり、信頼が積み上がる。その一つひとつが、顧客体験の質を押し上げます。

だからこそ私たちは、個人の努力に依存しないために、「育つ仕組み」を設計します。その中心にあるのが、企業内大学自社開発のタレントマネジメントシステムです。

  • 企業内大学: 現場で必要な知識・スキル・スタンスを体系化し、職種・等級・役割に応じて学びを設計する。新人から管理職まで、成長の「道筋」を可視化する。
  • 自社開発タレントマネジメントシステム(かつやくん): 目標・行動・学習・評価・面談ログを一気通貫でつなぎ、成長を「点」ではなく「線」で追える状態にする。本人も上司も、次の打ち手が明確になる。

ここで重要なのは、システムが人を管理するのではなく、「人が自分の可能性を伸ばすためのサポート」として機能させることです。
「何を学べばいいか」「いま何が強みか」「次に伸ばすべきは何か」。この問いに、日常の中で答えが返ってくる状態をつくる。これが、自己実現をエンジンに変える経営です。

そしてこの仕組みは、社内だけの話ではありません。社員が育てば、提案の質が上がり、対応の質が上がり、お客様の満足が上がる。結果として、紹介が増え、解約が減り、ブランドが強くなる。「人の成長 → 顧客満足 → 企業成長」の循環が回り始めます。

5. 明日から実践すべき3つのアクションプラン

変革は、気合では続きません。続くのは、仕組みです。明日からできる、最小の3ステップを提案します。

  1. 「提供価値」を一文で言語化する: 物件ではなく、顧客体験として何を提供する会社なのか。まず言葉を揃える。
  2. 学びの「型」を決める: 週1回でもいい。学びの時間を予定として固定し、属人化を外す。
  3. 成長を記録し、フィードバックを回す: 目標・行動・学びを記録し、面談で振り返る。改善点が「見える」だけで、人は伸びる。

6. まとめ:頂上を目指すため

不動産経営は、よく登山に例えられます。
今、私たちが取り組んでいるのは、山頂に到達するための「入念なストレッチ」であり、「装備の点検」です。地味で時間がかかる作業かもしれません。しかし、この準備を怠った者は、急激な市場の変化という嵐が来た時に真っ先に脱落します。

私たちは、住環境の提供領域で最も必要とされる企業グループを目指しています。それは、単に規模を大きくすることではなく、「成長する」ことで誰かの人生を豊かにすることです。

そして、その成長の起点はいつも「人」です。
社員の成長が企業の成長であり、社員の成長が顧客満足の源泉である。
この当たり前を、仕組みとして回し続ける会社が、最後に勝ちます。

変化を恐れず、むしろ変化を楽しみましょう。
DO IDEA。考え、そして動く。
その先にしか、私たちが望む未来はありません。

小村 典弘

 
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