【小村典弘】AIは「道具」ではない。「DO IDEA」の相棒だ。生成AIが拓く賃貸住宅開発の未来
- 不動産オーナー

「生成AIが賃貸住宅の未来を創る」。クラスコ代表・小村典弘が語る、最新のAI活用プロジェクトの全貌。AIを単なるツールではなく、イノベーションを生む「DO IDEA」の相棒として捉える経営者の視点とは。
目次
はじめに:AIは、未来を「描く」ことができるか?
AIが拓く賃貸住宅開発の常識破壊
顧客の「潜在ニーズ」を炙り出すAI
「言葉」を「カタチ」にするAI
AI活用は「DO IDEA」の加速装置
AIが「思考」を高速化する
AIが「創造性」を解き放つ
これからの経営者が問われること
おわりに:AIと共に、次の未来へ
はじめに:AIは、未来を「描く」ことができるか?
「AIが人間の仕事を奪う」。
多くの経営者や働き手が、そんな不安を抱いているかもしれません。特に不動産業界では、「対面での接客が重要」「人の手によるアナログな業務が多い」といった理由から、AIの活用はまだまだ他人事だと考えている人もいるでしょう。
しかし、私は、その考え方を完全に変えるべきだと強く感じています。
今回、興奮を覚えているのは、私たちが生成AIを活用した、まったく新しい賃貸住宅のコンセプト開発プロジェクトをスタートさせたからです。このプロジェクトは、AIが単なる業務効率化ツールではないこと、そして未来を創造する**「DO IDEA」の強力な相棒**であることを証明するものだと確信しています。
このブログでは、このプロジェクトがなぜ、そしてどのようにして賃貸住宅業界に革命をもたらすのか。そして、これからを生きる経営者がAIとどう向き合うべきかについて、私の「DO IDEA」の視点からお話したいと思います。
AIが拓く賃貸住宅開発の常識破壊
これまでの賃貸住宅開発は、主に**「過去の成功体験」に基づいたものでした。
「このエリアでは、この間取りが人気だった」「このデザインは入居率が高かった」。
もちろん、過去のデータは重要です。しかし、顧客の価値観が多様化し、ニーズが複雑化している現代において、過去のデータだけでは、「未来の正解」**を見つけることは難しくなってきています。
私たちの新しいプロジェクトは、この常識を根底から覆します。
顧客の「潜在ニーズ」を炙り出すAI
まず、生成AIは、膨大な市場データや顧客のレビュー、SNSの投稿などを分析し、**「顧客自身も気づいていない潜在的なニーズ」**を炙り出します。
これまでは、営業担当者の経験や勘、あるいは限定的なアンケート調査に頼るしかありませんでした。しかし、AIは、**「なぜ、この物件のこの設備が、この層に人気なのか?」**といった、人間が気づきにくい相関関係やインサイトを、瞬時に見つけ出すことができます。
例えば、「在宅ワークが増えたから、デスクスペースが必要」というニーズは誰でもわかります。しかし、AIはそこからさらに踏み込んで、**「日中はリビングで集中したいから、可動式のパーテーションが欲しい」「オンライン会議で背景に生活感を出したくないから、壁面収納にデザイン性を求める」**といった、より具体的な、そしてニッチなニーズを導き出すことができるのです。
これは、従来の開発モデルでは決して辿り着けなかった、**「本当の顧客の声」**を形にする第一歩となります。
「言葉」を「カタチ」にするAI
さらに、このプロジェクトの画期的な点は、生成AIがコンセプトを**「グラフィック化」**することです。
**「コンセプトをグラフィック化する」**とは、言葉のコンセプトを、すぐに建築パースやデザインイメージとして視覚的に表現するということです。
これまでは、コンセプトが決まってから、デザイナーや建築家が多くの時間と労力をかけてデザインに落とし込んでいました。
しかし、AIは、**「在宅ワーカー向けの、カフェのような空間」といった言葉の指示から、瞬時に複数のデザイン案を生成します。
これにより、私たちは「顧客の潜在ニーズ」をいち早く「視覚的なカタチ」**にすることができ、市場への提供スピードを劇的に加速させることができます。
これは、顧客のニーズが多様化し、変化のスピードが速い現代において、圧倒的な競争優位性となります。
AI活用は「DO IDEA」の加速装置
今回のプロジェクトを通じて、私はAIの役割を再認識しました。
それは、AIが単なる「道具」ではないということです。
AIは、**「DO IDEA」を高速化し、その精度を最大化する「相棒」**なのです。
AIが「思考」を高速化する
これまでの私の「DO IDEA」は、まずアイデアを出し、それを形にするための情報収集や調査に多くの時間を費やしてきました。しかし、生成AIは、その**「思考」のプロセスを圧倒的なスピードでサポート**してくれます。
「こういうコンセプトはどうだろう?」
「このコンセプトに合う市場のデータは?」
「競合はどんなサービスを提供している?」
AIは、これらの問いに瞬時に答えを出し、次のアイデアへと繋げてくれます。
これにより、私たちは**「アイデア出し」から「実行」までのサイクルを、これまでよりもはるかに速く回せるようになります。**
AIが「創造性」を解き放つ
「AIが創造性を奪う」という人もいます。しかし、私は逆だと考えています。
人間は、AIが提示する複数のデザイン案やアイデアから、**「どれが一番面白いか」「どの組み合わせが新しいか」**といった、より本質的な「創造性」を発揮することに集中できます。
AIは、あくまで**「創造性の土台」を創ってくれる存在です。
その土台の上に、人間が持つ「感性」や「経験」、そして「DO IDEA」**という想いを乗せることで、これまでにない価値が生まれるのです。
今回のプロジェクトで、私たちはAIに**「顧客の潜在ニーズをカタチにする」という、創造性の最も重要な部分を任せています。これは、私たちの「DO IDEA」**を、より早く、より正確に、そしてより大胆に、市場に届けるための挑戦です。
これからの経営者が問われること
AIが進化するこれからの時代、経営者に問われるのは、**「AIをどう使いこなすか」**という能力です。
AIは、万能ではありません。
AIが導き出した答えが、必ずしも正解とは限りません。
「なぜ、AIはこの答えを出したのか?」
「この答えは、本当に顧客の価値観に合っているか?」
AIが提示した答えを鵜呑みにせず、その本質を見抜く「洞察力」。
そして、AIの能力を最大限に引き出すための**「問いを立てる力」**。
これこそが、未来の経営者に求められるスキルです。
おわりに:AIと共に、次の未来へ
私たちが目指すのは、AIが作った賃貸住宅を建てることではありません。
AIを相棒にすることで、**「人々の生活をより豊かにする」**という私たちの理念を、これまで以上に早く、そして深く実現することです。
AIは、私たちの仕事のあり方を、そして業界の未来を大きく変えるでしょう。
この大きな変化の波に乗り遅れるか、それとも波を乗りこなし、新たな価値を創造していくか。
その選択は、今、私たちの手に委ねられています。
私たちはこれからも、技術と創造性を組み合わせることで、新しい価値を創造し続けます。
そして、この**「DO IDEA」**の旅を、AIと共に、さらに進化させていくことをお約束します。