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小村典弘のブログ

日本一決定戦 REAA 【Real estate agent award 2017】

日本一決定戦 REAA 【Real estate agent award 2017】

 

不動産業界の未来を共創する:REAA 2017 開催レポート

2017年10月4日、渋谷で開催された「日本一決定戦 REAA 2017」の模様と、不動産業界の新たな可能性、そして「DO IDEA」の実践についてご報告します。

1. はじめに:不動産業界の閉塞感を打破する一筋の光

私が代表を務めるクラスコ、そして私自身が常に考えているのは、いかにして不動産業界をより良く、よりエキサイティングな場所にするか、ということです。ご存知の通り、不動産業界は時に旧態依然とした慣習や情報の非対称性といった課題を抱え、ともすれば閉塞感が漂うことも少なくありません。しかし、その一方で、テクノロジーの進化、働き方の多様化、そして何よりも人々の価値観の変化は、業界に大きな変革の波をもたらしつつあります。

そんな中、2017年10月4日、私たちクラスコがかねてより温めてきた構想が、ついに実現の日を迎えました。それが「日本一決定戦 REAA 【Real estate agent award 2017】」(以下、REAA)です。これは単なるイベントではありません。全国の不動産業者が持つ独自のノウハウや成功事例を共有し、互いに学び合い、そして業界全体のレベルアップを目指す、まさに「業界の未来を共創する」ための試みです。

本日は、この記念すべき第一回REAAの模様と、そこから見えてきた不動産業界の新たな可能性、そして経営者や現場で活躍する皆さんが明日から実践できる「DO IDEA」のヒントについて、私の想いを込めてお話ししたいと思います。

2. REAA (Real Estate Agent Award) 2017 開催の背景と熱き想い

クラスコ社内イベントから全国へ:課題意識の共有が生んだ奇跡

REAAの萌芽は、実はクラスコ社内で3年前から開催していたプレゼンテーション大会にあります。社員一人ひとりが日々の業務で培ったアイデアや改善策を発表し、それを共有することで、組織全体の活性化とスキルアップを図るというものでした。この取り組みは想像以上の成果を上げ、多くの素晴らしいアイデアが生まれ、実行に移されていきました。

その成功体験を通じて、私は強く感じたのです。「この素晴らしい取り組みを、クラスコ一社に留めておくのはもったいない。業界全体で共有できれば、もっと大きなインパクトを生み出せるのではないか?」と。個々の企業が持つ「点」としての知恵を、業界全体の「面」としての力強い動きに変えていく。それこそが、不動産業界が直面する様々な課題を乗り越え、新たな価値を創造していくための鍵となると確信しました。

なぜ共同開催だったのか?「業界全体で成長する」という志

この想いを実現するため、私たちは同じ志を持つ2社の企業様と共に、REAAを共同開催するという道を選びました。一社だけで旗を振るのではなく、業界内で志を同じくする仲間たちと手を取り合うことで、より広範な共感を呼び、ムーブメントを加速させることができると考えたからです。

幸いにも、私たちのこの呼びかけに、業界の未来を真剣に憂い、共に変革を目指そうという熱意ある企業様が応じてくださいました。それぞれの企業が持つ強みやネットワークを融合させることで、REAAは単なる一企業のイベントではなく、まさに「業界の、業界による、業界のためのお祭り」として、その第一歩を踏み出すことができたのです。これは、私たちクラスコが大切にしている「DO IDEA(まずやってみる、行動からアイデアを生み出す)」の精神が、業界全体へと広がっていく大きな一歩でもありました。

REAAが掲げた3つの開催目的:個人の知恵を業界の財産へ

REAA 2017の開催にあたり、私たちは明確な3つの目的を掲げました。

  1. 個人の知恵を共有し「業界の知恵」に変える: 各社、各人が持つ優れたアイデアや成功事例は、その組織内だけに留めておくにはあまりにもったいない。これらをオープンに共有し、誰もがアクセスできる「業界全体の知恵」へと昇華させること。
  2. 優れたプロセスを賞賛し不動産業界従事者の労働意欲を向上する: 日々の業務の中で創意工夫を凝らし、素晴らしい成果を上げている個人やチームを正当に評価し、賞賛すること。これが業界全体のモチベーションを高め、さらなるイノベーションを生み出す原動力となる。
  3. 業界全体の業務レベル底上げする: 共有された知恵を参考に、各社が自社の業務プロセスを見直し、改善していくこと。これにより、業界全体のサービスレベルや生産性が向上し、結果として顧客満足度の向上にも繋がる。

これらの目的は、単なる理想論ではありません。不動産業界が持続的に発展し、社会からより一層信頼され、魅力的な業界であり続けるために、不可欠な要素であると私たちは信じています。 REAAは、そのための具体的なアクションであり、業界進化の触媒となるイベントになると、開催前から確信していました。

3. 渋谷の熱気:REAA 2017 イベント当日の全貌

歴史あるライブホールが熱狂の舞台に

決戦の舞台は、東京・渋谷の「Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE」。数々の著名なアーティストが熱いライブを繰り広げてきたこの場所が、この日ばかりは不動産業界の未来を語る情熱で満たされました。全国各地から集まった約400名の参加者の熱気が、開演前から会場全体を包み込んでいました。

この場所を選んだのには理由があります。私たちは、REAAを単なるセミナーや発表会ではなく、参加者全員が主役となり、感動と興奮を共有できる「ライブ体験」にしたかったのです。不動産業という仕事も、突き詰めれば人を感動させ、人生を豊かにするクリエイティブな営みであるはず。 その想いを、会場選びにも込めたのです。

評価基準に込めた「真の価値」とは?

プレゼンターの評価は、以下の5つの基準で行われました。

  • 独自性(工夫に富んでいるか): 他にはない、オリジナリティあふれるアイデアや取り組みであるか。
  • 応用性(他組織で応用可能か): そのアイデアが、他の企業や組織でも参考にし、導入できる普遍性を持っているか。
  • 新規性(目新しいか): これまでの業界の常識にとらわれない、新しい視点や発想があるか。
  • 影響力(組織や業界への影響力): その取り組みが、自社だけでなく、業界全体に対してもポジティブな影響を与える可能性があるか。
  • プレゼン力(明確さ、時間): 伝えたい内容が明確で、分かりやすく、かつ制限時間内に効果的に伝えられているか。

これらの基準は、単に奇抜なアイデアを求めるものではありません。真に価値のある取り組みとは何か、それが業界全体にどのような好影響をもたらしうるのか、という本質的な視点を重視しました。 特に「応用性」と「影響力」は、REAAの根幹である「個人の知恵を業界の知恵へ」という理念を体現する上で、極めて重要な評価軸であると考えています。

開幕!お約束の賃貸フェス体操が生んだ一体感

そしていよいよイベント開始。しかし、いきなり真面目なプレゼンに入るのではなく、私たちクラスコではお馴染みの「賃貸フェス体操」からスタートしました。一見、不動産業のイベントとは無関係に思えるかもしれませんが、これには深い意味があります。

初対面の人々が集まる場では、どうしても緊張感が漂います。この体操を通じて、参加者全員で体を動かし、声を出し、笑い合うことで、自然と心がほぐれ、会場に一体感が生まれるのです。約400名が一斉に同じ動きをする光景はまさに圧巻で、会場のボルテージは一気に高まりました。この「共に楽しむ」という体験が、その後のプレゼンテーションをよりオープンな心で受け止め、活発な意見交換へと繋がる土壌を作ってくれたのです。 これもまた、私たちが大切にする「場作り」の一環です。

4. 全国からの挑戦者たち:12組の革新的プレゼンテーション

賃貸フェス体操で心も体もリラックスした後は、いよいよメインイベントであるプレゼンテーションの開始です。全国各地の予選を勝ち抜いてきた精鋭12組が、それぞれの会社で実践している成功事例や、業界の未来を変える可能性を秘めた斬新なアイデアを、約10分という限られた時間の中で熱く語りました。

そのテーマは、賃貸管理の効率化、顧客満足度向上のための新サービス、テクノロジーを活用した業務改革、地域活性化への貢献など、多岐にわたりました。どのプレゼンテーションも、各社が日々真剣に課題と向き合い、知恵を絞り、そして果敢に「DO IDEA」を実践してきたことの証であり、聴衆は食い入るように耳を傾けていました。スクリーンショット 2025-05-08 10.29.19

我が社クラスコからの挑戦:「カウリノ」が目指す中古市場の革命

私たちクラスコからは、中古物件市場に新たな価値を創造する「カウリノ」という事業でエントリーしました。プレゼンターを務めたのは、この事業を牽引する石澤です。

「カウリノ」は、単に古い物件をリフォームして再販するという従来型の中古ビジネスとは一線を画します。私たちは、物件一つひとつの個性を最大限に引き出し、そこに新たなストーリーを吹き込み、住まう人のライフスタイルに寄り添った「暮らし方」そのものを提案することを目指しています。 例えば、デザイン性の高いリノベーションはもちろんのこと、購入後のアフターサポート、さらには住み替えの際の売却サポートまで、ワンストップで提供することで、お客様が安心して中古物件を選び、長く快適に暮らせる仕組みを構築しようとしています。

これは、ともすればネガティブなイメージを持たれがちな中古物件市場に、「選ぶ楽しさ」「住まう喜び」という新しい価値観を創出しようという挑戦です。少子高齢化や空き家問題が深刻化する日本において、中古住宅の流通活性化は喫緊の課題であり、「カウリノ」がその一翼を担えるのではないかと考えています。

「点と点を面に変える」:石澤のプレゼンに込めた想いと未来展望

石澤のプレゼンテーションは、事業内容の革新性もさることながら、その言葉の端々から「カウリノ」に懸ける情熱と、中古市場を変革したいという強い意志が伝わってくる素晴らしいものでした。

特に印象的だったのは、「点と点を面に変える」という言葉です。これは、一つひとつの物件(点)に丁寧に光を当て、その魅力を最大限に引き出すことで、やがてそれが線となり、さらには「カウリノ」という新しい市場(面)を形成していくという、私たちの事業戦略と未来展望を見事に表現した言葉でした。

会場の皆様からも多くの共感と賞賛の声をいただき、手応えを感じることができました。クラスコが常に問い続けている「どうすればお客様にもっと喜んでいただけるか」「どうすれば業界をもっと良くできるか」という「DO IDEA」の精神が、この「カウリノ」という事業にも息づいていることを、改めて実感する瞬間でした。

想像を遥かに超えたレベルの高さ:「業界が変わる」と確信した瞬間

クラスコのプレゼンもさることながら、他の11組のプレゼンターの方々の発表は、正直なところ私の想像を遥かに超えるレベルの高さでした。各社が培ってきた独自のノウハウ、斬新なアイデア、そしてそれを実現するための具体的なプロセスが、惜しげもなく共有されていく。その一つひとつが、まさに目から鱗が落ちるような発見と学びに満ちていました。

「こんな進んだ取り組みをしている会社があったのか!」

「このアイデアは、すぐにでも自社で応用できるかもしれない!」

会場のあちこちから、そんな驚きと興奮の声が聞こえてきました。私自身も、一人の経営者として、そして不動産業界に身を置く者として、大きな刺激と感銘を受けました。この日、この場所に集まった熱意と知恵が融合すれば、必ずや不動産業界は変わる、いや、変えることができる。そう確信した1日となりました。

これは、単なる楽観論ではありません。実際に、各社のプレゼンには、テクノロジーを駆使した業務効率化、データ分析に基づいたマーケティング戦略、顧客とのエンゲージメントを高めるためのユニークなコミュニケーション手法など、具体的な成功事例が豊富に盛り込まれており、その再現性と実効性の高さが際立っていました。

5. グランプリ決定!エリアマネジメントという新たな価値基準

栄冠はOMUSUBI不動産へ!DIYとコミュニティが紡ぐ未来

熱気に満ちたプレゼンテーションが全て終了し、いよいよ審査結果の発表です。どのプレゼンも甲乙つけがたい素晴らしい内容でしたが、厳正なる審査の結果、栄えある第一回REAAグランプリに輝いたのは、千葉県松戸市を拠点に活動する「OMUSUBI不動産」様でした。賞金50万円が贈られました。

OMUSUBI不動産様のプレゼンテーション内容は、「中古物件をDIYを活用して再生し、入居者同士のコミュニティを創造することで、エリア全体の価値を高めていく」という、まさに「エリアマネジメント」を体現するものでした。

彼らは、単に物件を貸し出すだけでなく、入居者が主体的に空間づくりに関わるDIYの機会を提供し、さらには入居者同士が交流できるイベントやワークショップを企画・運営することで、そこに住まう人々の間に強いつながりを育んでいます。これにより、物件の魅力向上はもちろんのこと、地域への愛着が深まり、結果として退去率の低下や、新たな入居希望者の増加といった好循環を生み出しているのです。

これは、不動産が単なる「ハコ」ではなく、「人と人との繋がりを生み出すプラットフォーム」となり得ることを示した、非常に示唆に富んだ取り組みです。 物件のスペックや立地といったハード面だけでなく、そこに住まう人々の満足度やコミュニティといったソフト面での価値創造が、これからの賃貸経営においてますます重要になってくることを予感させました。

 

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人口減少時代におけるエリアマネジメントの重要性

OMUSUBI不動産様の取り組みは、特に今後の日本社会において、極めて重要な視点を含んでいます。ご存知の通り、日本は本格的な人口減少社会に突入し、多くの地方都市では空き家問題や地域コミュニティの希薄化が深刻な課題となっています。

このような時代において、不動産業者が果たすべき役割は、もはや単に物件を仲介したり管理したりするだけにとどまりません。その地域全体の魅力を高め、人々が住み続けたいと思えるような「まちづくり」に積極的に関与していく、「エリアマネジメント」の視点が不可欠となるでしょう。

OMUSUBI不動産様の事例は、まさにその先駆的な取り組みであり、私たち不動産業界全体が学ぶべき多くのヒントを与えてくれました。DIYという手法で入居者の主体性を引き出し、コミュニティ形成を通じて地域の価値を高めるというアプローチは、他の地域でも応用可能な普遍性を持っています。これこそ、私たちがREAAを通じて目指した「個人の知恵を業界の知恵へ」という理念を象徴するものであり、グランプリにふさわしい素晴らしい内容であったと、改めて敬意を表したいと思います。

 

6. REAAが不動産業界に投げかけたもの:経営者視点での考察

REAA 2017は、多くの成功事例と熱意に満ちたプレゼンテーションを通じて、参加者に大きな感動と学びを与えてくれました。しかし、その意義はイベント当日の興奮だけに留まるものではありません。このイベントが不動産業界全体に投げかけたもの、そして私たち経営者がそこから何を学び、どう行動すべきかについて、私の視点から考察してみたいと思います。

「共有」こそがイノベーションの源泉:クローズドからオープンへ

REAAの最大の成果の一つは、各社がこれまで門外不出としてきた成功事例やノウハウを「共有」する場を創り出せたことだと考えています。不動産業界は、とかく自社の情報をクローズにしがちな傾向がありましたが、REAAでは多くの企業がその垣根を越え、自社の貴重な知見を惜しみなく提供してくれました。

イノベーションというものは、往々にして既存の知と知の新しい組み合わせから生まれます。他社の成功事例を知ることで、自社の課題解決のヒントが見つかったり、全く新しいアイデアが閃いたりすることは少なくありません。「自前主義」から脱却し、業界全体で知恵を共有し、オープンに議論できる文化を醸成していくこと。これこそが、不動産業界全体のイノベーションを加速させるための最も重要な鍵となるでしょう。

経営者としては、自社のノウハウをどこまでオープンにするかという判断は難しい部分もあるかもしれません。しかし、REAAのような場を通じて、まずは小さな成功事例からでも共有を始めてみること。そして、他社の取り組みから積極的に学び、自社に取り入れてみるという姿勢が、これからの時代には不可欠です。その小さな一歩が、やがて大きなうねりとなり、業界全体の進化へと繋がっていくはずです。

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モチベーションの最大化が組織を強くする:称賛文化の醸成

REAAのもう一つの重要な側面は、優れた取り組みを正当に評価し、「称賛する」という文化を体現したことです。日々の業務の中で、地道な努力や創意工夫を重ねている社員は、どの会社にも必ず存在します。しかし、その努力が必ずしも正当に評価されず、モチベーションを維持できずにいるケースも少なくないのではないでしょうか。

REAAのような晴れの舞台で、自社の取り組みを発表し、多くの聴衆から称賛を浴びるという経験は、プレゼンターにとって何物にも代えがたい喜びであり、大きな自信となるはずです。そして、その姿を見た他の社員たちも、「自分もあんな風に輝きたい」「次は自分が挑戦したい」というポジティブな刺激を受けることでしょう。

組織の力を最大限に引き出すためには、社員一人ひとりのモチベーションを高めることが不可欠です。 経営者は、社員の小さな成功や挑戦を見逃さず、積極的に称賛し、それを組織全体で共有する「称賛文化」を意識的に醸成していく必要があります。それは、金銭的な報酬以上に、社員のエンゲージメントを高め、組織全体のパフォーマンス向上に繋がる強力なドライバーとなるのです。

「共創」が生み出す無限の可能性:単独主義からの脱却

REAAは、クラスコ一社だけでは決して実現できませんでした。共同開催という形を取り、全国の不動産業者、そして関連企業の方々にご参加・ご協力をいただいたからこそ、あれだけの熱気と感動を生み出すことができたのです。これは、これからの不動産業界において、「共創」がいかに重要であるかを示唆しています。

人口減少、空き家問題、テクノロジーの急速な進化、顧客ニーズの多様化・複雑化といった、不動産業界を取り巻く環境変化は、もはや一社単独の力では対応しきれないほど大きなものとなっています。それぞれの企業が持つ強みやリソースを持ち寄り、共通の課題解決に向けて協力し合う「共創」の視点が、これからの時代を生き抜く上で不可欠となるでしょう。

それは、同業他社との連携かもしれませんし、異業種とのコラボレーションかもしれません。あるいは、行政や地域住民を巻き込んだ、より大きなスケールでの共創もあり得るでしょう。大切なのは、自社の殻に閉じこもるのではなく、積極的に外部と繋がり、新たな価値を共に創り上げていこうというオープンなマインドを持つことです。 REAAが、そうした「共創」の輪を広げていくための一つのきっかけとなれば、これ以上の喜びはありません。

7. 経営者・業界関係者・働き手へ:REAAから学ぶべき「DO IDEA」の実践

REAA 2017は、多くの学びと刺激を与えてくれましたが、それを単なる「良いイベントだった」という思い出で終わらせてしまっては意味がありません。大切なのは、そこから得た気づきを、日々の業務や経営にどう活かしていくかです。ここでは、特に経営者、業界関係者、そして現場で活躍する働き手の皆さんに、REAAから学ぶべき「DO IDEA」の実践について、具体的なアクションプランを提示したいと思います。

今すぐ社内で「小さなREAA」を始めてみませんか?

REAAのような全国規模のイベントをすぐに開催するのは難しいかもしれません。しかし、そのエッセンスを取り入れ、自社内で「小さなREAA」を始めることは、今日からでも可能です。

例えば、部署ごと、あるいはチームごとに、日々の業務改善事例や成功体験を発表し合う場を設けてみてはいかがでしょうか。評価基準も、REAAの5つの基準(独自性、応用性、新規性、影響力、プレゼン力)を参考に、自社に合わせてアレンジすれば良いでしょう。優秀な発表には、ささやかながらも賞賛とインセンティブを与えることで、社員のモチベーションは格段に向上するはずです。

大切なのは、規模の大小ではありません。社員一人ひとりが持つ知恵やアイデアを尊重し、それを組織全体で共有し、称賛する文化を育むこと。 これが、組織の活性化と継続的な成長に繋がる第一歩となるのです。まさに「DO IDEA」、まずはやってみることです。

失敗を恐れず「挑戦」を奨励する文化をどう育むか

REAAで発表された数々の革新的な取り組みは、決して最初から全てが順風満帆だったわけではないはずです。そこには、数多くの試行錯誤や、時には失敗もあったことでしょう。しかし、それでも諦めずに挑戦を続けたからこそ、素晴らしい成果へと結びついたのです。

イノベーションを生み出すためには、「失敗を恐れずに挑戦する」ことを奨励する組織文化が不可欠です。 しかし、言うは易く行うは難し。多くの組織では、失敗に対する恐れが、新たな挑戦へのブレーキとなってしまっているのではないでしょうか。

経営者やリーダーがすべきことは、まず自らが率先して新しいことに挑戦する姿勢を見せることです。そして、社員の挑戦に対しては、結果の成否だけでなく、そのプロセスや意欲を正当に評価すること。たとえ失敗したとしても、そこから学びを得て次に活かせば良いというメッセージを明確に伝え、心理的安全性の高い環境を整備することが重要です。「DO IDEA」の精神は、挑戦と、そこからの学びによって磨かれていくのです。

 

「カウリノ」に学ぶ、新たな市場を「創造」する視点

クラスコがREAAで発表した「カウリノ」は、既存の中古物件市場の枠組みにとらわれず、新たな価値を「創造」しようという試みです。これは、単に既存のパイを奪い合うのではなく、市場そのものを拡大していこうという発想の転換でもあります。

現代のように変化の激しい時代においては、過去の成功体験や既存のビジネスモデルにしがみついているだけでは、やがて立ち行かなくなってしまいます。常に社会の変化や顧客の潜在的なニーズにアンテナを張り、そこに新しい価値を提供することで、新たな市場を「創造」していくという視点が不可欠です。

そのためには、業界の常識や既成概念にとらわれず、自由な発想で物事を考える力、そしてそれを具体的な形にしていく実行力(まさにDO IDEA)が求められます。自社の強みは何か、顧客が本当に求めているものは何か、そして社会に対してどのような貢献ができるのか。これらの問いを常に自問自答し続ける中で、新たな市場創造のヒントが見えてくるはずです。

テクノロジー活用と人材育成:未来を切り拓く両輪

REAAで発表された多くの取り組みには、最新のテクノロジーが効果的に活用されていました。AI、ビッグデータ、VR/AR、業務自動化ツールなど、不動産業界においてもテクノロジーの活用は、もはや避けては通れない道となっています。

テクノロジーは、業務効率化や生産性向上はもちろんのこと、新たな顧客体験の創出や、これまで不可能だったサービスの実現をも可能にします。 経営者は、常に最新のテクノロジートレンドを把握し、自社のビジネスにどのように活かせるかを積極的に検討していく必要があります。

しかし、忘れてはならないのは、どんなに優れたテクノロジーも、それを使いこなすのは「人」であるということです。テクノロジーを導入するだけでなく、それを最大限に活用できる人材を育成することもまた、経営者の重要な責務です。社員のITリテラシー向上を図るための研修制度を整備したり、新しいツールを積極的に試せる環境を提供したりするなど、テクノロジー活用と人材育成を両輪で進めていくことが、未来を切り拓くための鍵となるでしょう。

8. REAAの裏側と未来への布石:クラスコ銀座TVの密着取材

REAA 2017の熱気と感動は、イベント当日だけに留まりません。この歴史的な一日を、より多くの方々に伝え、そして未来へと繋げていくために、私たちクラスコが運営するインターネットTV局「クラスコ銀座TV」が、イベントの裏側を含めて密着取材を行いました。

プレゼンターたちの緊張感あふれる準備風景、審査員たちの真剣な眼差し、そして会場を包み込んだ一体感と興奮。それら全てを記録した映像は、12月に放送を予定しています。ぜひ、多くの方にご覧いただき、REAAの熱量を感じていただければ幸いです。

そして、これは単なる記録映像ではありません。REAAの理念や、そこで生まれた素晴らしいアイデアを、より広範な層に届け、業界全体のさらなる活性化に繋げていきたいという、私たちの「次なる一手」でもあります。 この放送が、第二回、第三回へと繋がるREAAの成功、そして不動産業界の未来を明るく照らす一助となることを願っています。

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9. おわりに:REAAの灯を絶やさず、不動産業界の未来を照らし続けるために

2017年10月4日、渋谷の地で開催された「日本一決定戦 REAA 2017」。それは、私たちクラスコにとって、そして参加されたすべての皆様にとって、忘れられない一日となったことでしょう。全国から集まった熱意あるプレゼンターたちの革新的なアイデア、それを真剣に聞き入り、称賛を送る聴衆、そして会場全体を包み込んだ一体感。その全てが、不動産業界の明るい未来を予感させるものでした。

REAAの目的として掲げた、「個人の知恵を共有し『業界の知恵』に変える」「優れたプロセスを賞賛し不動産業界従事者の労働意欲を向上する」「業界全体の業務レベル底上げする」という3つの柱は、決して一朝一夕に達成できるものではありません。しかし、この第一回REAAが、その実現に向けた確かな大きな一歩となったことは間違いありません。

大切なのは、この日灯った「変革の灯」を絶やさず、さらに大きく育てていくことです。 そのためには、経営者一人ひとりが「DO IDEA」の精神で新たな挑戦を続け、そこで得た知見を業界全体で共有し、互いに高め合っていくという地道な努力が不可欠です。

私たちクラスコは、今後もREAAのような取り組みを通じて、不動産業界の発展に貢献していきたいと考えています。そして、この記事をお読みの皆様と共に、業界の未来を共創していけることを心より願っております。

 

この熱気を、この感動を、そしてここで生まれた「DO IDEA」の種を、それぞれの持ち場に持ち帰り、不動産業界の未来を、共に、より豊かで、よりエキサイティングなものにしていきましょう。

 

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