「CI」は未来への投資である。ブランド価値を高める不動産経営の新戦略
- 不動産会社

不動産業界の皆さん、こんにちは。クラスコの小村典弘です。
今、多くの不動産会社が「採用難」という共通の課題に直面しています。単に給与を上げるだけでは解決できない、もっと深い問題がそこには存在します。
私たちはこの課題に真摯に向き合い、「CI(コーポレート・アイデンティティ)」 がその解決策となるという結論に至りました。クラスコ自身も5年前に社名変更とCIの一新を行い、その効果を肌で感じてきました。知名度向上、利益向上はもちろん、何よりも「この会社で働きたい」という熱意を持った仲間が集まるようになったのです。
しかし、多くの会社から「CIの重要性はわかるが、どこから手をつけていいかわからない」「ロゴを変えただけでは何も変わらなかった」という声を聞きます。それは当然のことです。CIは単なるロゴやデザインの変更ではありません。それは、企業のDNAそのものを再構築する、未来への壮大な投資なのです。
DO IDEA:CIは「MI・BI・VI」の三位一体で実現する
私たちはCIを「MI(マインド・アイデンティティ)」「BI(ビヘイビア・アイデンティティ)」「VI(ビジュアル・アイデンティティ)」の三位一体で捉えています。
ロゴや名刺といったVIは、いわば企業の「顔」です。しかし、中身が伴わなければ意味がありません。企業の理念や存在意義といったMIが明確でなければ、社員の行動指針となるBIは生まれません。そして、MIとBIが統一されて初めて、VIが輝きを放ち、社内外に強いメッセージを届けることができるのです。
この3つの要素が有機的に結びつくことで、初めて本物のCIは機能します。
例えば、MIとして「顧客の暮らしに最高の笑顔を」という理念を掲げたとします。次に、その理念を実現するためのBIとして「どんな時でも顧客の立場で考え、誠実に対応する」という行動規範を定めます。そして、その理念と行動を視覚的に表現するVIとして、温かみのあるロゴやデザインに統一する。
この一連のプロセスを通じて、企業全体の方向性が明確になり、社員一人ひとりが迷いなく行動できるようになります。結果として、顧客からの信頼は増し、共感する人々が集まる強い組織が形成されます。これが、私たちが経験してきたCIの本質です。
実践的アドバイス:今すぐ始めるCIの第一歩
CIの導入は、特別なことではありません。日々の経営の中で実践できる具体的なアクションから始めることができます。
- 理念の言語化: まずは、自社が何のために存在し、誰にどんな価値を提供したいのかを徹底的に話し合ってください。この問いに明確な答えがなければ、CIは始まりません。全社員を巻き込んで議論することで、当事者意識が芽生えます。
- 行動指針の共有: 言語化した理念を、具体的な行動に落とし込みます。例えば、「顧客に寄り添う」という理念を「月に一度、感謝のメッセージを手書きで送る」という具体的な行動にブレイクダウンします。
- 統一ツールの活用: 理念と行動指針が決まれば、それを表現するツール(名刺、封筒、ホームページなど)を統一しましょう。しかし、これは最後のステップです。ロゴやデザインの変更だけがCIではないことを忘れないでください。
私たちはこのCIのプロセスをパッケージ化した「CIジョー」というサービスを開発しました。これは、不動産業界に特化し、理念開発からツールの制作までを一貫してサポートするものです。ロゴの変更だけでは得られない、本質的な企業変革を支援します。
まとめ:CIは企業成長を加速させるエンジン
CIは、単なるブランディング活動ではなく、企業文化を醸成し、未来の成長を確実にするための重要な経営戦略です。
採用難に悩む時代だからこそ、私たちは理念に共感した「共鳴者」を求めています。そして、そうした人材は、会社のビジョンや価値観が明確に示されている場所に集まってきます。
CIへの投資は、単なる費用ではなく、企業の未来を創るための最も確実な投資です。ロゴやデザインの表面的な部分だけでなく、会社の「心臓部」にまでメスを入れることで、採用、集客、そして企業価値向上という多岐にわたる効果が生まれます。
皆さんの会社は、どんな未来を描いていますか? その未来を現実にするために、今こそCIという武器を手に取るときです。