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小村典弘のブログ

DO IDEAこそが不動産経営の未来を拓く鍵だ。AI時代の「創造的生産性」戦略

AI時代の 「創造的生産性」戦略 (1)

2025年8月、私たちクラスコは年に一度の祭典『DO IDEA AWARDS 2025』を開催しました。このイベントは単なる社内表彰式ではありません。これは、全社員の「アイデア実行力」を可視化し、顧客価値創造へと直結させるための、まさに**未来成長OS(オペレーションシステム)**なのです。

今回の成果は驚くべきものでした。年間で実行されたアイデアは213件にのぼり、そこから売上2億594万円増加、コスト1,312万円削減、そして4,478時間の業務効率化が実現したのです。この数字だけを見て「すごいな」で終わらせてはいけません。経営者であれば、この数字の裏に隠された本質的な意味を読み取るべきです。

「アイデア実行」はなぜ、これほどまでに大きな成果を生むのか
多くの企業がDXを叫びながらも、成果を出せていないのが現状です。その根本的な理由は、「技術導入」に終始し、「人」が変わっていないからです。高価なシステムを導入しても、それを使いこなす人、そして何より「どう使うか」を考え、実践する人がいなければ、宝の持ち腐れです。
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私たちの『DO IDEA』の強みは、まさにここにあります。

1. 全員が「経営者」視点を持つ
『DO IDEA』は、社員一人ひとりに「どうすればもっとお客様に喜んでもらえるか?」「どうすれば会社の生産性が上がるか?」という問いを投げかけます。入社2年目の若手社員がグランプリを獲得したように、社歴や役職に関係なく、誰もが自分の業務領域で改善の当事者となる。これが、日々の小さな改善の積み重ねが、大きな経営成果へと繋がる原動力です。

2. 創造的な生産性を生む
業務効率化で生まれた4,478時間という膨大な時間は、単なる「空き時間」ではありません。これは、私たちがお客様のために創造的な活動に再投資できる、**「価値創造のための時間」**です。お客様への丁寧なヒアリング、新サービスの企画開発、そして社員のスキルアップ。このサイクルこそが、他社にはない圧倒的な競争力を生み出すのです。

3. AIを「使いこなす」文化の醸成
今年の応募の7割がAI関連のアイデアだったことは、私にとって非常に喜ばしい驚きでした。「全ての業務にAIを」というスローガンが、現場の肌感覚にまで浸透している証拠です。私たちはAIを「導入する」のではなく、社員が「自らの手でAIを活用して業務を改善する」文化を築いています。これにより、賃貸管理業務の自動化や顧客対応の質の向上など、テクノロジーが顧客価値をダイレクトに引き上げる仕組みが構築されました。

不動産経営者が今すぐ取り組むべき「DO IDEA」戦略
この成功は、私たちクラスコだけの物語ではありません。不動産業界全体が直面する人材不足、賃貸物件の供給過多、そして顧客ニーズの多様化という課題を乗り越えるための、明確なヒントがここにあります。

【今すぐ始めるべき3つの施策】

「改善」を評価する文化を創る:
単に売上目標を追うだけでなく、「いかに業務を効率化し、新たな価値を生み出したか」を評価する仕組みを導入してください。社員が安心してアイデアを実行できる心理的安全性を確保することが、第一歩です。

AIを「ツール」ではなく「パートナー」と捉える:
AIは単なる業務効率化ツールではありません。社員の創造性を引き出し、新たなサービスを生み出すためのパートナーです。まずは小さな業務からAI活用を始め、社員が自ら使い方を探索する機会を与えてください。

「生まれた時間」を「顧客」と「人財」に再投資する:
業務効率化で生まれた時間を、必ず顧客とのコミュニケーション強化や、社員のスキルアップ、新しい企画会議に充てるルールを設けてください。この再投資こそが、持続的な成長の鍵となります。

創造的生産性の追求が、業界の未来を創る
日本が人口減少時代を迎える今、私たちはこれまでと同じやり方でビジネスを続けていくことはできません。問われているのは、いかにして一人ひとりの生産性を高め、新たな価値を創造していくかです。

『DO IDEA』は、単なるアイデアコンテストではなく、この変革期を生き抜くための企業の「思考OS」であり「行動OS」なのです。すべての経営者が、この本質を理解し、自社の組織文化を創造的生産性へとシフトさせていくこと。それが、不動産業界全体の未来を拓き、私たちが目指す**「世界中に人生楽しい人を増やす」**というビジョンの実現に繋がると確信しています。

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