先日、11年ぶりに札幌のラーメン店「てつや」を訪れました。暖簾をくぐった瞬間、濃厚な醤油の香りが鼻腔をくすぐり、記憶の奥底に封印されていた当時の情景が鮮明に蘇ってきました。

11年前、私はRenottaのフランチャイズ立ち上げという、まさに人生をかけた一大プロジェクトの最終準備に追われていました。右も左も分からない手探り状態の中、連日連夜の作業が続き、心身ともに疲弊していた時期でした。札幌で開催された初めてのフランチャイズ説明会の日、徹夜明けで朦朧とした意識の中、せめて昼食だけでも美味しいものを食べようと「てつや」に駆け込んだのです。

コッテリとした濃厚な醤油ラーメンは、疲れた体に染み渡り、一口すするごとに力が湧いてくるようでした。あの時のラーメンの味と、初めての説明会を終えた安堵感は、今でも忘れられない記憶として心に刻まれています。

家賃下落という危機からの脱却、Renotta誕生秘話
13年前、不動産業界は家賃下落という深刻な問題に直面していました。多くの不動産オーナー様から「家賃下落を防ぐための具体的な方法を提案してほしい」という切実な要望が寄せられていました。

当時の私たちは、この課題を解決するために、コンセプトリノベーションブランド「LIFE DESIGN PROJECT」（現在のRenotta）を立ち上げました。しかし、コンセプトを打ち出したリノベーションは前例がなく、成功する保証はどこにもありませんでした。施工後、入居者が決まるまでの日々は、まさに不安との闘いでした。「本当に決まらなかったらどうしよう…」と、いつも頭の中で自問自答を繰り返していました。

当時の私たちは、あえて市場のニーズを先取りした、尖ったコンセプトのリノベーションを数多く手掛けました。そのため、リーシングの現場担当者からは、戸惑いの声や反対意見も少なからずありました。しかし、結果として、Renottaは平均で33%もの家賃アップを実現し、大きな成功を収めることができたのです。

この成功モデルは、全国の不動産関係者の間で大きな話題となり、年間300名もの方が私たちの元へ学びに来てくださいました。そして、「ぜひフランチャイズとして展開してほしい」という熱い要望を受け、2012年にRenottaプロジェクトは全国展開へと踏み出したのです。

全国のオーナー様と共に歩んだ11年、そして未来へ
皆様の温かいご支援のおかげで、Renottaは今や全国No.1の店舗数を誇るまでに成長しました。この11年間、私たちは常に挑戦と成長を繰り返し、多くのオーナー様の賃貸経営をサポートしてまいりました。

初めてのフランチャイズ立ち上げ、全国展開、そして数々の困難。振り返ると、全ての経験が私にとってかけがえのない財産となっています。あの時、「てつや」のラーメン一杯が、私に勇気と活力を与えてくれたように、これからも私たちは、常に新しいことに挑戦し、成長を続け、オーナーの皆様の期待に応えていけるよう、全力で取り組んでまいります。

ラーメンの味を思い出しながら、過去の出来事、そして現在の状況、未来への展望など、様々な想いが頭の中を駆け巡りました。これからも、変化を恐れず、常に新しい価値を創造し、オーナーの皆様と共に、不動産業界の未来を切り拓いていきたいと考えています。

今後とも、変わらぬご支援とご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

目次

1. 3年連続ランクインの軌跡：北陸の地から全国へ
2. 北陸の地から全国へ。クラスコのブランディング戦略
3. 持続的成長を支える組織文化と戦略
4. 「DO IDEA」が拓く不動産業界の革新
   • アイデアを形にする力：テクノロジーとデザインの融合
   • 多角的な視点が生む新たな価値
   • 地域社会への貢献と業界を牽引する使命感
5. 不動産オーナー・経営者が実践すべき3つの戦略
   • 戦略１：テクノロジーで業務効率と顧客体験を向上
   • 戦略２：デザイン思考で物件の価値と魅力を最大化
   • 戦略３：変化を歓迎する組織文化を醸成
6. 未来への提言：不動産業界のリーダーシップとは？
   • これからの不動産業界を担う人材
   • 組織変革と持続可能なビジネスモデル
7. まとめ：「DO IDEA」を胸に、不動産業界の未来を創造する

本文

1. 3年連続ランクインの軌跡：北陸の地から全国へこの度、クラスコが北陸地域における就職人気企業ランキングで3年連続13位（※日経新聞）という大変光栄な評価をいただきました。この結果は、日頃より私たちを支えてくださる皆様、そして何よりも情熱と創造力を持って日々の業務に取り組むスタッフ一人ひとりの努力の賜物であり、心から感謝申し上げます。

   北陸という地で、決して地の利が良いとは言えない環境の中、なぜクラスコがこれほどまでの評価をいただけるようになったのか。それは、私たちが創業以来大切にしてきた「DO IDEA」という独自の理念、つまり「まずやってみる」精神と、そこから生まれる革新的なアイデアを形にする力にあると確信しています。

2. 北陸の地から全国へ。クラスコのブランディング戦略北陸という場所は、時に情報や人材の流れにおいて、大都市圏と比較して不利な面があるかもしれません。しかし、私たちはこの地で、逆境をバネに独自の進化を遂げてきました。そして、その進化を支えた重要な要素の一つが、徹底的なブランディング戦略です。

なぜ、北陸の地でクラスコがこれほどまでの評価を得られたのか？

それは、私たちが単に不動産サービスを提供するだけでなく、独自の価値を明確に言語化し、それを魅力的に発信し続けてきたからです。私たちは、自分たちが何を目指し、どのような価値を提供できるのかを深く掘り下げ、それを顧客、そして社会に対して一貫して伝えてきました。

私たちのビジョンは、「地域を活性化し、人々の暮らしを豊かにする」ことです。不動産は、単なるモノではなく、人々の生活の基盤であり、思い出が積み重ねられる場所です。私たちは、その不動産を通じて、顧客一人ひとりの理想の暮らしを実現するパートナーでありたいと考えています。

そのために、私たちが大切にしている価値は以下の3つです。

• 革新性 (Innovation): 常に新しい視点を取り入れ、テクノロジーやデザインを積極的に活用することで、不動産業界に新たな価値を創造します。
• 地域密着 (Community-Based): 地域社会との繋がりを大切にし、そのニーズに寄り添ったサービスを提供することで、地域の活性化に貢献します。
• 人間中心 (Human-Centered): 顧客一人ひとりの想いを尊重し、誠実な対応と丁寧なコミュニケーションを通じて、信頼関係を築きます。

これらのビジョンと価値を、私たちは日々の業務、情報発信、そして社会貢献活動を通じて体現してきました。例えば、デザイン性の高いリノベーション物件は、住む人のライフスタイルを豊かにし、地域の景観をも向上させます。また、テクノロジーを活用した効率的な管理システムは、オーナー様の負担を軽減し、入居者様の満足度を高めます。

北陸という地で、私たちがこれらの価値を磨き上げ、発信し続けることで、地域の方々からの共感と信頼を得ることができました。そして、その評判が口コミやSNSを通じて広がり、結果として全国的な注目を集めるに至ったと考えています。

ブランディングとは、単に企業イメージを良く見せるためのものではありません。それは、私たちが何者であり、何を目指しているのかを明確にし、共感してくれる人々との繋がりを深めるための重要な戦略です。クラスコは、これからもこのブランディング戦略を磨き続け、北陸の地から全国へ、そして未来へと、私たちの価値を発信し続けていきます。

3. 持続的成長を支える組織文化と戦略就職人気企業ランキングに名を連ねることは大変喜ばしいことですが、私たちはこの結果に満足することなく、更なる成長を目指しています。そのために重要なのは、一時的な人気に左右されない、持続可能な組織文化と戦略です。私たちの組織文化の根底には、社員一人ひとりの個性と能力を尊重し、自由な発想を奨励する風土があります。そして、そのアイデアを具現化するためのテクノロジー投資と、それを活用できる人材育成に力を入れています。
4. 「DO IDEA」が拓く不動産業界の革新「DO IDEA」は、単なるスローガンではありません。それは、私たちの事業活動のあらゆる側面に浸透している行動原理です。
   • アイデアを形にする力：テクノロジーとデザインの融合私たちは、新しいアイデアを思いついたら、まずは試してみることを重視します。その過程で、テクノロジーは不可欠なツールとなります。例えば、AIを活用した物件提案システムや、VR技術を用いたバーチャル内見などは、私たちのアイデアをテクノロジーが支え、顧客に新たな体験を提供する良い例です。また、デザインの力も重要です。単に機能的なだけでなく、美しさや快適性を追求することで、物件の価値を高め、人々の暮らしを豊かにすることを目指しています。
   • 多角的な視点が生む新たな価値クラスコの事業領域は、賃貸管理、売買仲介、リノベーション、そして近年ではホテル運営など多岐にわたります。これは、一つの視点にとらわれず、多角的な視点から不動産の可能性を探求してきた結果です。例えば、賃貸管理で得た顧客のニーズをリノベーションに活かしたり、売買仲介のノウハウを賃貸物件の価値向上に繋げたりと、それぞれの事業がシナジーを生み出すことで、新たな価値創造に繋がっています。
   • 地域社会への貢献と業界を牽引する使命感私たちは、単に利益を追求するだけでなく、地域社会への貢献も重要な使命と考えています。空き家問題の解消や、地域活性化に繋がるプロジェクトへの参画など、不動産を通じて地域をより良くしていくための活動にも積極的に取り組んでいます。そして、私たちの取り組みが、不動産業界全体の発展に貢献できれば、これほど嬉しいことはありません。
5. 不動産オーナー・経営者が実践すべき3つの戦略変化の激しい現代において、不動産オーナーや経営者が生き残り、成長していくためには、常に新しい視点と行動が求められます。ここでは、「DO IDEA」の精神に基づき、皆さんが今すぐ取り入れられる3つの戦略を提案します。
   • 戦略１：テクノロジーを積極的に導入し、業務効率と顧客体験を向上させる不動産業界においても、テクノロジーの導入は避けて通れない道です。AIを活用した物件マッチング、オンラインでの契約手続き、IoTを活用したスマートホームなど、テクノロジーは業務効率を大幅に向上させ、顧客に新たな価値を提供することができます。まずは、自社の課題を洗い出し、それを解決するためのテクノロジー導入を検討することから始めてみましょう。
   • 戦略２：デザイン思考を取り入れ、物件の価値と魅力を最大限に引き出す物件の価値は、単に立地や広さだけで決まるものではありません。デザインの力によって、物件の魅力は大きく向上します。ターゲット層を明確にし、彼らが求めるライフスタイルを考慮したデザインを取り入れることで、入居率の向上や家賃アップに繋がる可能性があります。リノベーションにおいても、単に古くなったものを新しくするだけでなく、デザイン性を意識することが重要です。
   • 戦略３：変化を恐れず、常に新しいアイデアと挑戦を歓迎する組織文化を醸成する最も重要なのは、組織全体が変化を恐れず、新しいアイデアや挑戦を歓迎する文化を持つことです。そのためには、経営者自身が率先して新しい情報に触れ、学び続ける姿勢を示す必要があります。また、社員が自由に意見を述べることができる環境づくりや、失敗を恐れずに挑戦できる風土を醸成することも大切です。
6. 未来への提言：不動産業界のリーダーシップとは？これからの不動産業界を担うリーダーには、どのような資質が求められるのでしょうか。
   • これからの不動産業界を担う人材私が考えるに、これからの不動産業界を担う人材には、テクノロジーへの理解力、デザインに対する感性、そして何よりも変化を恐れず、新しい価値を生み出す創造力が不可欠です。また、地域社会との繋がりを大切にし、社会貢献に対する意識が高い人材が求められます。
   • 組織変革と持続可能なビジネスモデルテクノロジーの進化は加速し、顧客のニーズも多様化しています。これに対応するためには、組織も常に変化し続ける必要があります。部署間の壁をなくし、柔軟な組織体制を構築することや、社員のスキルアップを支援する研修制度の充実などが重要になります。

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     これからの不動産ビジネスは、短期的な利益だけでなく、長期的な視点、そして地域社会との共存が不可欠です。空き家問題の解決や、環境に配慮した物件開発など、地域社会と共に成長できる持続可能なビジネスモデルを構築していくことが、今後の不動産業界の発展に繋がると考えます。

7. まとめ：「DO IDEA」を胸に、不動産業界の未来を創造する今回の就職人気企業ランキング3年連続ランクインという結果は、私たちクラスコにとって大きな励みとなりました。しかし、これはゴールではなく、新たなスタート地点です。私たちは、これからも「DO IDEA」の精神を胸に、不動産業界の未来を切り拓くために、絶えず挑戦し続けます。

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   不動産オーナー、経営者の皆様におかれましても、変化を恐れず、新しいアイデアを取り入れ、共にこの業界の未来を創造していきましょう。テクノロジーとデザインの力を最大限に活用し、地域社会に貢献することで、不動産はもっと魅力的で、可能性に満ちた存在になるはずです。

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   私たちクラスコの挑戦にご期待いただくとともに、皆様と共に未来を築いていけることを楽しみにしています。